子供がやりたいと言ってはじめた習い事なのに、最近やる気がないと感じた経験がある人も少なくないのでは。やる気がない姿を見ると辞めさせるべきか迷うものですが、ちょっとした工夫でやる気を引き出す方法があるのをご存じですか?
ここでは、前向きになるようにやる気を引き出す方法と対処法についてご紹介したいと思います。
やる気が出ない理由
習い事に対してやる気がないのには必ず理由があります。まずは、どんな理由があるのか知ることで、解決策も変わってくるので、やる気がなくなる理由について考えてみたいと思います。
- 友達と遊びたい
- 他のことに興味を持つようになった
- 上達しない
- 壁にぶつかっている
- 楽しくなくなった
- 学校と習い事で疲れている
- 環境が合わない
友達と遊びたい
習い事は曜日と時間が決まっているので、習い事がある曜日は、友達と遊ぶことができません。学校で一日を過ごしその流れで友達と遊ぶ展開になったとしても、習い事がある曜日は、遊びを断らなくてはいけないことに。
仲の良い友達と放課後に遊べないことは、意外とストレスに感じるものです。
友達と遊びたいけど遊べない。親にも言えないという気持ちが。もしかしたらやる気の低下につながっているのかもしれません。
他のことに興味を持つようになった
子供は日々成長しているので、やりたいことが変わるということは良くあるものです。
通っている習い事がつまらなくなったのではなく、別にやりたいことができたということも考えられます。
他に興味が移ることは決して悪いことではないので、子供が自分で話せる環境を作ってあげ、新しい習い事をするためにはどうしたらいいのか話し合ってみましょう。
上達しない
そろばんや習字などは、上達すると級が上がっていくので進級した時にはうれしいものです。しかし、逆に級が上がらない場合や、上達しないと面白くないので当然やる気に影響します。
上達しないことでやる気がなくなっている場合は、努力することの大切さを伝えるチャンスです。パパやママの経験談を伝えると、自分だけじゃないんだと安心します。見守っている姿を見せて安心させてあげましょう。
壁にぶつかっている
上達しないのと同じく、何かしらの要因で壁にぶつかっているということも考えられます。
自分では頑張っているつもりなのに、先生に褒めてもらえない時や、失敗を繰り返してしまう時など自暴自棄になってしまうものです。
普段から習い事をした日に様子を聞くようにすると、会話から子供の変化を感じることができるので、習い事があった日には必ず様子を聞くようにしましょう。
楽しくなくなった
上達しなくなり、何らかの壁にぶつかってしまうと、楽しくありません。学校とは違って行かなくてはいけない場所ではないので、やる気がなくなると態度となって表れてきます。
時間とお金をかけて通うものなので、楽しくなければ上達は見込めず負のスパイラルに入ってしまいます。
習い事の様子を聞く時に楽しそうに話せているかは、習い事に対する関心度を図る目安になります。話している様子にも着目して異変を早めにキャッチして対処してあげる必要があります。
学校と習い事で疲れている
学校で運動会の練習があった時や、放課後残って先生のお手伝いをする時など、忙しくて疲れてしまっていることも考えられます。
疲れがたまった状態で習い事をやっても、楽しくありません。
疲れているのが分かったら、ジュースを飲んで一息ついてから向かうという方法や、思い切って休むという選択肢もあるので、子供の体調を見てその都度判断するようにしましょう。
環境が合わない
最後は環境についてです。いくら好きな習い事だとしても、先生や一緒に授業を受ける生徒と合わないといケースも考えられます。
学校では担任の先生は選べませんが、お金を払って通う習い事なら環境が合わないなら変えることができます。
先生が褒めてくれない。友達と仲良くなれないなど環境の問題がやる気を下げてしまっているなら、場所を変えるとリセットすることが可能です。先生との相性は大丈夫か、友達との関係は問題ないかチェックしてみましょう。
やる気をなくさせてしまう言動
やる気が出ない理由について見て気ましたが、心当たりがあるものはあったでしょうか。理由が分かれば対処法も変わってきますが、行かせたいと思うあまり、親の言動でやる気をさらに下げてしまっているケースも少なくありません。
どんな言動が子供のやる気をさらに下げてしまっているのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。
- 無理に通わせる
- 自分が決めたことだと責める
- 人と比べる
- お金がかかっていることを話す
無理に通わせる
習い事がある日に限って行くのを渋ったりすると、行かせたい思いが先行して理由も聞かず無理に行かせようという行動に出てしまうものです。
やる気がないのには必ず理由があるので、無理に通わせることは逆効果です。
子供からのサインが出ていると考え、行きたくない理由を聞いて、疲れているのなら無理に行かせず休ませることも重要です。
自分が決めたことだと責める
習い事をはじめるにあたっては、やりたいかどうか、そして続けられるかどうかを家族、もしくは親子で話し合って決めるケースが多いものです。
子供のやりたいことを優先している場合、「あなたが決めたことなんだから最後まで続けなさい」と一方的に責めてしまうのも、子供を追い詰めてしまうのでNGです。
親子で相談して決めたことだからこそ、どうやったら続けられるのか、それとも辞めて別なことをするのか真剣に話し合う大事な時期だと捉えましょう。
人と比べる
習い事に対してやる気がないのが分かると、
「〇〇君は楽しそうに通っているよ。」と友達の名前を出すことや、「〇〇ちゃんは級が上がったんだって」と比較することも控えなければいけません。人と比べることは、やる気を下げてしまう要因になってしまます。
子供のことを一番理解しているのは親なので、友達と比較しないで、どうしたらこの壁を乗り越えられるか一緒に考える時間を持ちましょう。
お金がかかっていることを話す
最後は子供が傷ついてしまうお金についてです。
「毎月月謝を払っているんだから、行きなさい」と一方的に伝えたりしたことはありませんか?
子供の力でお金を生み出すことはできません。この月謝や金銭面を言われると、辞めたいと言えなくなってしまいますし、相談することすらできなくなってしまいます。
お金を払っているのに仕方なくやっている姿が見えても、費用のことは決して口に出さず別な側面から励まし、この問題を乗り切る突破口を見つけるようにしましょう。
やる気を引き出す方法
やる気がない理由が分からないと、どうしても言葉や態度で親のイライラが出てしまうものです。ひとつひとつ気をつけながら、次は子供のやる気を引き出す方法について見ていきたいと思います。
- 目標を一緒に確認する
- 褒める
- 子供とじっくり話し合う
- 自分で決めさせる
- ご褒美を作る
目標を一緒に確認する
やる気がないのは、友達と遊びたいのかもしれませんし、上達しないことに対して、もどかしさを感じているのかもしれません。
習い事をはじめると、最初は楽しく取り組む姿を見て様子を聞くとうれしいものですが、だんだん慣れてくると、親の関心も低くなってしまいます。
そこで、初心に戻り習い事をはじめようと思った時のことを思い出してみましょう。
きっと、サッカーでドリブルができるようになりたい。という夢や、平泳ぎで25メートル泳げるようになりたいという具体的な目標があったはずです。
モチベーションが下がってしまっている時だからこそ、目標の再確認をすることで、今自分が何をしなければいけないのか明確になります。
高い目標ではなく、達成感が得られるようにスモールステップで小さな目標を積み重ねていくことがポイントなので、すぐにやってみたいことを話し合ってみましょう。
褒める
目標が決まったら、習い事に取り組む姿勢にも変化が出てくるものです。少しでも目標に近づけるような出来事があったらすかさず褒めて、習い事が楽しいと思える環境を作ってあげます。
褒めて嫌な気持ちになる子はいません。むしろやる気アップのために、たくさん褒めてあげましょう。
子供とじっくり話し合う
やる気がないということは、辞めたいのか、つまらないのか、それとも別なことをやりたいのかは、子供に聞かないと分かりません。
ある程度予測は立てた上で、今後の習い事についてじっくり話し合うことも大切です。
友達が新しくはじめた習い事をやってみたいと思っているのかもしれませんし、学校と習い事の往復で疲れているのかも。
今の子供の様子を知るためには、とにかく話すことが大事になってきます。かしこまって話すのが苦手なら、料理のお手伝いをしながらでもいいですし、お風呂に入ってリラックスした状態で話すという方法も。
話す環境や時間帯も大事なので、子供がリラックスして話せる場所と時間を選んで話してみてください。
自分で決めさせる
明確な理由があって習い事を辞めたいと思う子もいれば、自分でも理由が分からずなんとなくやる気が出ないという子もいます。
漠然としているので、いくら親が予想しても話し合っても答えが出ないケースもあります。そんな時には、自分がどうしたいか。という観点で習い事をどうするか自分で決めさせてみましょう。
最初から自分で決めるというのは難しいので、どうしたいのかを聞き、その答えを元に親子で話し合います。
例えば、「続けたいけど友達とも遊びたい」というなら、習い事に通う回数を減らせば、友達と遊ぶ日を確保することもできますし、別な曜日に変えることで友達と遊びたいという欲求が満たされます。
自分で考え、相談して決めるという過程も成長する上で大事なステップになるので、子供の意思を尊重しながら相談してみてください。
ご褒美を作る
最後は、楽しみを作ってあげるという方法です。
習い事に行った帰りに好きなお菓子を一個買うのでもいいですし、上記で決めた目標が達成できたら、好きなものが買ってもらえるとしたら、やる気が増すのではないでしょうか。
ご褒美は使い過ぎてしまうと効果が薄くなってしまうので、やる気を引き出すツールとして試してみる価値はあります。
やる気が出ない場合の対処法
やる気を引き出すため、目標を一緒に考え、できたら褒めるなど、いろいろな方法を試していきますが、どれを試してもうまくいかない時にはどうしたらいいのでしょうか。
ここからは、具体的にできる対処法を4つご紹介したいと思います。
- 一定期間休む
- 思い切って辞める
- 習い事の数や曜日を調整する
- やりたい習い事を体験してみる
一定期間休む
やる気が出ない時に無理にやっても、何も得られません。そんな時には一定期間休んで習い事との距離を取ってみましょう。
月謝は1ヵ月単位がほとんどなので、思い切って1ヵ月休むという方法もあります。
離れてみることで、習い事の楽しさが改めて感じられるかもしれませんし、気持ちをリフレッシュさせることができます。
思い切って辞める
一定期間休んでも、その先がイメージできない場合は、辞め時と判断せざるを得ません。
どんな習い事でもいつかは辞める時がくるので、遅かれ早かれその時期がきたと思うと辞めることに対して罪悪感がありません。
辞めるという方法を選ぶ時でも必ず親子で話し合い、子供の意見を聞いた上で最終判断するようにしましょう。
習い事の数や曜日を調整する
習い事は数が多ければ多いほど、スケジュールの調整が難しくなります。子供がやりたいというものを尊重していたら、いつのまには習い事の数が増えていたということも少なくありません。
この機会に習い事の数を見直し、以前よりモチベーションが下がっているものや、時間割の関係で通うのが難しいものは整理しましょう。
そして、曜日や時間帯がずらせるなら、学校の時間割と照らし合わせ、変更すると気分や環境が変わり新鮮に思えるものです。
学期の節目(長期休みの前)や、進級時には習い事の継続について定期的に見直す習慣をつけることをおすすめします。
やりたい習い事を体験してみる
別なものに興味が出てきているのなら、実際に通える教室を探して無料体験に参加してみるという方法もあります。
友達から聞いた情報と実際にやってみるのとでは違いますし、理想と現実を見て、今の習い事の方がいいという結論になるかもしれません。
子供が生き生きと取り組むものを探してあげることも、親のサポートが必要です。
子供が成長する大事なステップ
習い事は学校と違い、必ず行かなければいけない場所ではありません。子供から「やりたいくな」「行きたくない」と言われるのは辛いですが、子供が成長する大事なステップと捉えると、向き合い方も変わってくるのではないでしょうか。
あの時があったからこそ今があると思えるよう、子供の日々の様子をチェックし親子の会話を習慣化させましょう。
まとめ
習い事に対してやる気がなくなるのには必ず理由があります。まずはその原因を探り、続けるならやる気を引き出す方法を試してみます。難しい場合は一定期間休むことや辞めることも視野に入れながら、家族で相談してみてください。