子供は吸収力が高いので、やりたいと思った時にいろいろな体験をさせてあげたいと思うもの。でも、習い事をさせるのにはお金もかかるので、月にどれくらいまでならいいのか、そして年収で考えるとどれくらいがベストなのか気になるものですよね。
そこで、ベネッセ教育総合研究所が調査した「学校外教育活動に関する調査2017」のデータを元に考えてみたいと思います。
1ヵ月あたりにかける習い事の費用
ベネッセ教育総合研究所が調査した「学校外教育活動に関する調査2017」によると、1ヵ月にかける習い事の平均は14,700円という結果になりました。
しかし、この14,700円という数字は、年齢や学年によっても違いがありますし、ベネッセの調査ではスポーツ・芸術活動・家庭学習・教室学習とさらに細かく分けその内訳は下記のようになります。
- スポーツ:3,400円
- 芸術活動:1,700円
- 家庭学習:2,400円
- 教室学習:7,200円
1ヵ月あたりにかける習い事の費用の平均が14,700円なのに対して、スポーツの習い事と芸術活動を掛け持ちで行う家庭もあれば、どれかひとつに特化している場合などが考えられます。14,700円というのは、幼児から高校生までの1ヵ月のかける平均の金額になります。
では、年齢別にみるとどのような傾向があるのでしょうか。
学年別にみる1ヵ月あたりにかける習い事の費用
年中にあたる5歳から高校3年生までの金額をみていきましょう。
- 5歳:7,900円
- 6歳:9,800円
- 小学校1年生:11,600円
- 小学校2年生:11,900円
- 小学校3年生:14,800円
- 小学校4年生:16,500円
- 小学校5年生:18,700円
- 小学校6年生:18,400円
- 中学校1年生:18,800円
- 中学校2年生:21,500円
- 中学校3年生:25,900円
- 高校1年生:14,300円
- 高校2年生:17,300円
- 高校3年生:18,900円
進級と共に習い事にかける費用も高くなることが分かります。
さらに内訳に着目してみるとスポーツ系は、小学校3年生までは上昇しますが、小学校4年以降は下降に。中学校3年生は受験のため、教室学習が一番支出が高いという状況になっています。
つまり、進級などを機に習い事も見直され、成長と共に変化していることが伺えます。
世帯年収別にみる1ヵ月あたりにかける習い事の費用
年間でかかる金額を計算してみると以下のような大きな数字になります。
月額の平均 | 年間でかかる費用 | |
5歳 | 7,900円 | 94,800円 |
6歳 | 9,800円 | 117,600円 |
小学校1年生 | 11,600円 | 139,200円 |
小学校2年生 | 11,900円 | 142,800円 |
小学校3年生 | 14,800円 | 177,600円 |
小学校4年生 | 16,500円 | 198,000円 |
小学校5年生 | 18,700円 | 224,400円 |
小学校6年生 | 18,400円 | 220,800円 |
中学校1年生 | 18,800円 | 225,600円 |
中学校2年生 | 21,500円 | 258,000円 |
中学校3年生 | 25,900円 | 310,800円 |
高校1年生 | 14,300円 | 171,600円 |
高校2年生 | 17,300円 | 207,600円 |
高校3年生 | 18,900円 | 226,800円 |
10万円以下から300,000円を超える時期もあり、これらの金額を支出するためには、どのくらいの世帯年収が必要なのでしょうか。
給与が上がる仕組みとして、会社員を例に取って考えてみると、給与は基本給と各種手当、そしてボーナスで構成されます。
会社の業績に応じて毎年ベースアップと呼ばれる昇給があるので、年齢やキャリアに応じて必然と年収も増加していきます。
そのため、子供の成長と共にかけられるお金も年々増えていくという結果になりました。次に年収ごとにみてみると、同じく1ヵ月あたりにかける習い事の費用の平均は以下のようになりました。
- 400万円未満:8,000円
- 400万円~800万円未満:13,400円
- 800万円以上:25,000円
年収400万未満の家庭は、1ヵ月にかける習い事の費用は8,000円となり年収が多い家庭は比例して習い事にかける費用も高くなることが分かります。
学年が上がり、中学や高校へ進学すると教育費も増えていきますが、気になる子供の年齢と親の平均年収については以下をご覧ください。
- 5歳:582万円
- 6歳:570.8万円
- 小学校1年生:301.4万円
- 小学校2年生:596.7万円
- 小学校3年生:613万円
- 小学校4年生:622.9万円
- 小学校5年生:643.5万円
- 小学校6年生:641.4万円
- 中学校1年生:660.3万円
- 中学校2年生:663.6万円
- 中学校3年生:661.1万円
- 高校1年生:660.9万円
- 高校2年生:700万円
- 高校3年生:698.9万円
これはあくまでも平均なので、この年収がないと習い事をさせてあげることができないかといったらそうではありません。年収400万円未満でも収入と支出のバランスをみて、月額8,000円程度で習い事をしている家庭もあるので、教育に対する考え方や、子供をどう育てたいかで変わってきます。
習い事をさせることは子供の経験値を上げる手段のひとつになりますが、日々の家庭での子育ての中でも十分可能です。
世帯年収と1ヵ月にかける習い事の割合
ここまでの情報を整理して、年収の平均と、月にかける習い事の平均額から、習い事にかける比率について計算してみました、すると以下のような結果になりました。
年収の平均 | 年間にかける習い事の平均 | 習い事にかける比率 | |
5歳 | 5,820,000円 | 94,800円 | 1.63% |
6歳 | 5,708,000円 | 117,600円 | 2.06% |
小学校1年生 | 3,014,000円 | 139,200円 | 4.62% |
小学校2年生 | 5,967,000円 | 142,800円 | 2.39% |
小学校3年生 | 6,130,000円 | 177,600円 | 2.90% |
小学校4年生 | 5,229,000円 | 198,000円 | 3.79% |
小学校5年生 | 6,435,000円 | 224,400円 | 3.49% |
小学校6年生 | 6,414,000円 | 220,800円 | 3.44% |
中学校1年生 | 6,603,000円 | 225,600円 | 3.42% |
中学校2年生 | 6,636,000円 | 258,000円 | 3.89% |
中学校3年生 | 6,611,000円 | 310,800円 | 4.70% |
高校1年生 | 6,609,000円 | 171,600円 | 2.60% |
高校2年生 | 7,000,000円 | 210,000円 | 3.00% |
高校3年生 | 6,989,000円 | 226,800円 | 3.25% |
習い事にかける比率の平均 | 3.23% |
子供の学年や世帯年収、そして興味を持っているものや習わせたいと思うものは家庭によって考え方に違いがあります。しかし、このデータの平均に着目してみると、をみると習い事にかける比率の平均は3.23%であることが分かりました。
この習い事にかける比率を実際の給与に当てはめてみると、より具体的な数字が分かります。
月収 | 習い事にかける平均(3.23%) |
200,000円 | 6,460円 |
250,000円 | 8,075円 |
300,000円 | 9,690円 |
350,000円 | 11,305円 |
習い事にどれくらい費用をかけたらいいのか迷うものですが、ひとつの目安として参考にしてみてください。
ただし、これらの数字はあくまでも目安なので、家族で話し合い子供にどのような教育を受けさせたいのかで選ぶ習い事も変わってきますし、それに伴い費用も変動します。
スポーツで人気の習い事
ここからは、習い事を種類別に分けて、それぞれ人気があるものをご紹介していきたいと思います。まずはスポーツ部門で人気がある習い事はこちら
個人競技から集団で行うものなで幅広くランクインしています。興味があるものからはじめると、習い事に対する意欲も増すので、参考にしてみてください。
芸術活動で人気の習い事
次は芸術活動で人気の習い事です。
1位の楽器の練習はピアノやエレクトーン、バイオリンやギターなどです。合唱やコーラス、演劇やミュージカルなど、子供の習い事としては珍しいものもランクインしていますが、それだけ習い事の種類も多様化しているということになります。
学習活動で人気の習い事
次は学習系で人気の習い事です。
進学塾や補習塾がランクインしていますが、習い事の王道ともいえる習字やそろばんも根強い人気があります。
家庭活動で使用している学習方法や教材
最後は、家庭で使用している学習方法にも習い事の要素や教材などが活用されています。どんなものがランクインしているのでしょうか。
本屋さんで手軽に買える問題集は、塾に通うのにはまだ早いと思う家庭には便利な教材です。そしてタブレットを用いた通信教育に、パソコンやスマホのアプリを使った家庭での学習などは、時代の流れを反映しているといえます。
バランスが大事
ベネッセが調査した資料では、学校以外で子供にかける教育活動の費用を調査し、数字や平均をみるといろいろなことが考えられます。習い事はさせたいけど、どれくらいまでかけるべきか迷っている人には、参考となる結果が公開されていました。
しかし、習い事は学校以外の教育活動なので、月謝や授業料がかかります。このお金に関して「教育にはできるだけお金をかけるようにしている」と答える人がいる一方で、教育費の無駄をなくすようにしている家庭や、不況により教育費を下げたという家庭。児童手当を教育費に回しているという工夫をしている家庭もありました。
習い事にかける平均や、月収と習い事との割合を把握した上で収入と支出のバランスをみながら、子供の個性に合ったものを選ぶことが重要です。
このバランスというキーワードを意識して、習い事選びの参考にしてみてください。
まとめ
子供の個性を伸ばし、将来の選択肢を広げてくれる可能性がある習い事ですが、子供の希望をそのまま聞くと家計がパンクしてしまいます。習い事は行くことに意義があり、学校では体験できないものを得られる大事な機会になります。
習い事を増やそうかどうか迷っている人は、習い事にかける比率である3%前後とバランスを意識して家族で相談してみましょう。